地図も渡されず隣町まで来ると『じゅんあい』はすぐに見つかりました。
早速中に入ってみると、色んなコーヒー豆が店内に置かれていて、凄く良い香りがします。
「いらっしゃいませ〜・・・・・・あら?その制服は『若葉』の・・・・・・」
レジにいた綺麗な人が制服に気付き、不思議そうに私を見る。
「あ、はい。『若葉』で新しく働く事になった二ノ宮慧子です。今日はそのお使いに」
「へぇ、潤一さんが・・・・・・まぁ良いわ。私は白鷺琴、いつもので良いんでしょう?」
「はい」
そう言うと白鷺さんは手際良くいくつかのコーヒー豆を適量取っていく。
そしてそれを袋に入れて戻ってきた。
「はい、これで良いと思うわ」
「どうもありがとうございます」
会計を済ませ、店を出ようとすると後ろから白鷺さんが突然話し掛けてきた。
「そうだ。潤一さんに伝えておいて、『好きです』って」
「えっ!?は、はい、分かりました」
私は驚きつつ店を出て帰路についた。
・・・・・・付き合ってください?何にだろ?そろそろ6月も終わりだし期末テストの勉強にかな?流石寺内さん、偉いな〜。
「分かりました」
「えっ!?本当ですか!?」
「はい、寺内さんの学力向上のため微力ながら頑張らせてもらいます!」
「・・・・・・はい?」
寺内さんは何故かキョトンとしている。
もしかして僕は何か勘違いを?
「テスト勉強に付き合ってほしいのでは?」
「・・・・・・」
寺内さんは何やら考え込む。
やっぱり間違ってた!?
するといきなり顔を上げ、
「いえ!テスト勉強です!もうさっぱりです!ですからお泊りありで教えてください!みっちりと!」
えぇ!?お泊りも!?
何だか最近やけに騒々しい日々が続きますね・・・・・・。