生涯の恋人 9話

ふく  2006-08-30投稿
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彼の好きだと言った『ゆず』のアルバムを友達から借りた
彼の好きだと言った『ミッション イン ポッシブル』を父親に頼んで借りてきてもらった
彼の好きだと言うものは全て受け入れたかった
そうすることで彼の一部を感じる気がした

これでまた彼と話が出来る
彼と共通の話題が出来ると思ったからだ
単純だけど
彼の好きなものを知ることが何よりも嬉しかったし
自分が特別に感じた

「熊崎くんとはどうなった?まだ好きって言ってないの?」
ヒロコとの会話はそのことばかり

「まだ言ってない。てゆうか、まだ言えない。」

「何で?」

「やっと少しだけ仲良くなれたんだもん。これからもっと色んなこと知ってからでいいと思って。」
「うまくいくといいね、がんばんな!」

あれから毎週日曜になると二人で学校に行き 一緒に勉強をしたり色んな話をした

そのたびに『好き』な気持ちが大きくなっていくのが分かった

学校が終わり家に帰ってから電話をすることも増えた
話す内容は今日学校であったことなど他愛もない話だった
長い時には一時間以上話す時もあった

学校で会うと挨拶を交わしたり笑顔を交わしたり 毎日が楽しかった

一ヶ月以上経つとさすがに焦りが出てくる
『私のことどう思ってるんだろう』
『やっぱり私から告白するべき何だろうか』

二人にこれ以上の進展がないことに不安がよぎる

でもやっぱり自分からは告白できなかった
告白して欲しい

ただの欲張りだ

『付き合いたい』
そう強く思うようになった

『ここからが私の腕の見せ所だ』

作戦実行

いつものように学校から帰り 夕飯を食べた後部屋に戻った
時刻は午後八時

携帯電話を握る

『熊崎くん』
発信…

呼び出し音が鳴る

「もしもし。」

思ったより早く彼が電話に出た

「もしもし、今いい?」

「いいよ、どうした?」

「あのさ、聞きたいことがあって。」

「何?」

自分なりの勇気を振り絞って出た言葉―\r

「私たちの関係って何?」



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