その出来事は仕事が終わりマンションに帰宅した時に起きた。
「別れましょう」
ユキは帰宅した俺の目をみないで言った。
ユキは身長168センチの細身で自分の彼女だがはっきり言って美人で自慢の彼女だ。
その彼女にあまりに唐突な別れの言葉に生返事で「ああ」と答えてから事の重大さに気付いた。
「カズ君のそういういい加減なところが耐えられない。人に厳しく、自分に甘い部分が。一緒に住んで半年にもなるのになんであたしに合わせてくれないの。なんで仕事が終わったら、まっすぐ家に帰ってきてくれないの。結婚したら一家の主になるんだから家にいなくちゃいけないのに毎日毎日、お酒を飲みに行って信じられない」
なぜ、彼女が突然、ヒステリーをおこしたのかはこの時点ではわからなかった。ただこの日をきっかけに二人が元通りになることはなかった。
俺とユキは大学時代の同級生だった。ただお互いに学生時代は顔は知っていたが面識は特になく、社会人になってからお互いの共通の友人を通じて付き合う事になった。
ユキはたくましい男性が好みのタイプだったらしく、身長185センチ、体重86キロの俺に一目惚れだったらしい。