聞きなじみの声の主はブラックキングスの若き守護神、大道寺大源(だいどうじ・だいげん)だった。
大道寺は勝利と同じ21歳、ドラフト一位のピッチャー。
勝利とは対照的に一年目から大活躍し、現在ではブラックキングスが誇る守護神に成長している。
同期入団で同じ高卒ルーキーは大道寺と勝利だけだったので、二人の仲はいい
「しかし寄りによってウイングスにトレードとはな…お前もついてねぇな。」
「まぁな、でも決まったことだし、しょうがないよ。」
「石嶺さんの壁はそう簡単に越えられないぜ。」
「分かってるよ。」
「まぁ、お前との対戦を楽しみにしてるぜ。」
「あぁ、俺もだよ。」
二人の間に男同士の約束が密かに交わされた。