彼は、子どもだ。
子どもが、そのまま、自分に素直な大人になった。
その荒削りさがあるから、仕事は成功していくのだろう。
たいへん魅力的で、彼に惹かれる思いをするのは、私一人ではないだろう。
だから、恋人だなんて、口が割けても、内外で言えない。
それは、私の中で処理出来れば良いと思ってる。
それでも、直に会って打ち合わせる時は、誕生日であったり、バレンタインやホワイトデーであるのは、そう。
そんなランチの目撃が流れた後は、いったい、どんな関係かと思わせるノリがあった。
あいつらってさあ、バレンタインに、ホテルで飯食って、そっから、アイアイ傘で、タクシーだぜえ!
バレンタイン。
そうでした。2月14日でした。
でも、ランチですよ〜……。
アイアイ傘って。
突然、雪が降ってきたんだっけなあ…。
傘、一本しかなくて…。
本当に次の打ち合わせに時間が足りなくて…。
二人でタクシーで移動したっけ。
市役所に行っただけなのに…。
でも、内心、ときめきがなかったと言えば嘘。
私は、いつの間にか、彼との食事が楽しみになっていた…。
いつからか、彼を愛している。