「話って何?」
彼女は言った 病院の広場。
今日は星が綺麗だ
蛙のこえが遠くの田から聞こえる。
「いや…、あのさ…」
「何?」
「俺…決めたんだ。」
「だから…何?」
「俺、学校辞める。働いて金貯めて、お前のために使いたい。」
彼女はうつむいていた
泣いていた
「……バっかじゃないの!?…グスっ…」
「わるい…俺バカだからこんな事しか思いつかなく…」
唇がふさがった。
しょっぱかった。
ただ、無性に抱き締めたくなった。
離したくなかった。
こうでもしないと離れてしまいそうで怖かった
でも本当に怖いのはお前なんだよな。
「怜那…」
もう夏が終わった、入院2ヶ月目の秋の夜だった。