皆が
振り向く。
今子供の声しなかった?
夫、ゆうや、まりえ、同時に
しなかったよ。
これって幻聴?そうかもね。
君は、この25年間、その病気とも、戦って来たんだよ。
そうなんだ・・でも、何か引っ掛かる。
頭痛がしてきた
無理して思いだそうとすると
いつもそうだ
あれから五年
回想
長いトンネルの
遥かかなたの明かりを目指し。
物凄いスピードでトンネルから出た。眩しくて
少しずつ目を開けた。白い壁、白い天井、テレビ、プーさんのぬいぐるみ。
いつもと少しばかり違う目覚め方だった。
ダッシュでプーさんのポケットに入っている
宝石箱を開き
白いカケラを手にとった。
正人ー正人ー正人ーごめんねまー君。夫が飛び起きてきて
思い出したのか?全部思い出したのか?
とても大きな声
だった。
貴方全て思い出したわ。この子がなくなってから私、とんでもない年月を心の奥に閉じ込めてたのよね。
夫は腰がぬけたように座り込んだ。1から10ううん1から千まで
思い出したわ。
夫は優しく抱き寄せ西先生、子供達、みかに電話を入れた。
続く