そこまで話すと、二人はさらに混乱した。何故製造中止になった銃を真犯人は使ったのか?何故ライフルも使ったのか?その謎がグルグルと渦巻いた。
「つまり、犯人は何らかの方法で製造中止の銃?KPHL?を手に入れ、今回の事件に使用したんだ」
そう言う優は二人に鋭い視線を送った
当初の目的は優に直接六年前の事件を話すだけだったのだが、優の知識から銃の情報を手に入れることが出来たので、京都と雪野は知立図書館に行く事を辞めて、優の家を離れることにした。
優の家を出る時に優が
「おい!」
二人が振り向くと
「六年前の事件が関わっているなら俺もこの事件について本格的に調べよう」
そう言って自分の部屋に引き返して行った。そんな優を見て二人はクスッと笑って優の家を後にした。
優の家を後にした二人は次に向かう場所を移動しながら話し合っていた。
「拳銃も分かったことだし、次はどこに向かう?」
京都がそう聞くと
「そうね……犯行に使われた拳銃?KPHL?の流通ルートを調べましょ?世界中で使われる事のなくなった拳銃を二年たった今もなお所持できる人……さらに日本にいる人なんて限られるわ。むしろ持っている人が犯人と思っていいかもしれないから」
と、雪野は周囲の人の目を気にしながら考えて言うと、京都は納得した。どうすれば銃の流通ルートを知れるのか考えると雪野の顔から冷汗が流れていることに気づいた。
「どうしたの?佐藤さん?」
京都が心配そうに雪野の顔を覗き込むと
「いっいや!何でもない」
と、声が裏返りそっぽを向く雪野。明らかに反応がおかしい雪野を問い詰めようとする京都に雪野が観念したように
「いっいや……警察以外で銃とか持ってそうな人っていえばヤクザの人かな〜と、思ったんだけど、流石に無いよねぇ。とゆうか、イメージ古すぎるわよね?それにヤクザなんてどこにいるのか分からないからね。さぁ他を考えましょ!」
そう言ってさっさと先に行こうとした雪野だったが
「いいねぇ!」
「えっ」
京都の嬉しそうな声に、思わずひきつった声をしてしまう雪野だったが時すでに遅し…
「じゃあ次の目的地はヤクザさんのところだ」
そう言って京都は雪野の手を引っ張った。
「(うそ〜ん)」
雪野は激しく後悔した