「はい、到着〜。」
「ほんとありがとうございます。」
「あぁ、いいって気にすんな。どうせヒマだしな。」
「それじゃあ、僕は行きますね。」
「おう、ちゃんと真面目に受けろよ〜。んじゃまたな。」
その返事を聞いてすぐに僕は正門に向かった。
やっぱり、ノックさんはいい人だ。
でも、あの荷物を取りに行った日も、今日もヒマで、あの人は一体いつ大学に行ってるんだろう。
そんなことを考えながら正門から学校に入っていった。
…
プルルルッ。
車の中で着信音が鳴った。「もしもし、あぁ、伊島さんか。はい、ちゃんと高校まで送りましたよ。でも、こんなこと、毎日はできないですし、早めに手をうったほうがいいんじゃないですか?そうですか。まぁ、なんとかなると思います。それじゃなにか動きがあったら連絡入れます。さすがに俺だけじゃキツいと思ったら、誰か呼んでくださいよ。それではまた。」
プツッ。電話が切れた。
フーッ。
ノックこと葉山真吾は大きく息を吐いた。
さてと、これから忙しくなるかもな。
真吾はのびをして車を動かし出した。