「…すいません…。」
大山は、何度も何度も呼んだが、中はガランとしていて、人の姿は見当たらない。
「留守?なわけないわよね…。」
「ですね…。」
大山は、もう1度大きな声で言ってみた。
「私は、街づくりコンサルタントの大山と申します?この商店街を再生する事業について、説明しに参りました?」
すると、2階の方から、階段を下る音が聞こえてきた。
「滝川さんでいらっしゃいますね?」
滝川幸夫(60)おもちゃの滝川の店主。
「…私は、街づくりコンサルタントの大山菜緒と、部下の河内です。」
河内は、深くお辞儀をした。
「今回は、この商店街を再生する事業について…。」「何言ってるんだ。」
店主、滝川が突然怒りだした。
「…。」
大山、言葉に詰まる。
「この商店街をぶっ潰すのか?」