欲望という名のゲーム?71

矢口 沙緒  2010-07-24投稿
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図書室の掃除が終わった事を、孝子のいるトランプの部屋まで、牧野夫人が知らせにきてくれた。
孝子は遊んでいたトランプを置くと、牧野夫人と一緒にホールまで降りて来た。
孝子がホールに着くと、隅のほうで鹿島が、ガチャガチャと何かをしきりにやっている。
「何をしてるの?
鹿島さん」
「いや、まいりました。
深雪様が鎧をバラバラにしてしまって、そのまま放置して、行ってしまわれたのです。
ほかの人も行ってしまわれて…
結局、私一人で組み立てているのですが、私が分解したわけではないので、何がどこに接続するやら、さっぱりわかりません」
確かに鎧は、まだほとんど形になってはいなかった。
「深雪姉さんは何か見付けたの?」
「はい、あれを見付けられました」
鹿島は壁のそばに落ちている剣を指差した。
「これも行き止まりだったのね。
姉さん、怒ったでしょ」
「それはもう」
そう言いながら鹿島は、手に持った部品を、首をひねりながら見ている。
「よし!
私も手伝ってあげる」孝子がニ、三歩鹿島に近付いた時、
「あっ!」
そう声を上げた。




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