「いえ、そのようなことは…。」
滝川は、この店の歴史について怒りながら話しはじめた。
「ここは、絶対に潰させんぞ。先代から継いできた、大切なおもちゃ屋だ。」
大山は、かなり言葉に詰まってしまった。
あの過去を体験して以来、失敗したらどうしようという心が常にあるようになってしまい、自分の意見を言うのに臆病になってしまった。
それを助けてくれたのは、河内だった。
「あなたは…僕のことを知っていますか?」
「まさか…。」
「河内大介。大山さんばかり見て、気づいていなかったようですね。」
滝川の顔が、一瞬綻んだ。「滝川さん。よく聞いてください。」
滝川は、黙っていたので、河内は強引に話しはじめた。
「伝統や、継承を守ることは、僕も大切なことだと分かっています。ですが、今の現状を見てください!殆どの店がシャッター閉まってるじゃないですか?これは、商店街じゃない。ただの商店だ?」
滝川の心に響け?河内は信じた。