王様と年の頃は同じ位でしょうか。
サラと言う名の、その少女は、美しく輝く大きなブルーの瞳をくるくるさせて、
辺りを見回し、お城の広さに深く感動したようでした。
生まれてから、乳母と二人きりの生活を続けて来た王様にとっても、
この少女との出会いは、心にとても新鮮な感情を生み出す事となりました。
そしてそれもまた、これまでに感じた事の無い感情でした。
少女の突然の訪問に、初めは戸惑っていた王様でしたが、
その心は、次第にほぐれてゆきました。
「僕の名はバズー。
生まれてからずっと、お付きの乳母のクルエラと二人きりの生活だったから、
人間の女の子を見るのも初めてなんだ。」
王様は、ぶっきらぼうに少女にそう言いましたが、
少女は、至って笑顔でした。
「ここには魚や動物もいない。
これだけ豊かな緑があるというのに。
この森に動物達、川に魚が棲む事が出来たなら、どんなに素晴らしい事なのでしょう。」
美しいブルーの瞳にきらきらと反射した光は、王様の心の奥底に届き、
その心の何かを、突き動かそうとしていました。
広いお城をゆっくりと歩きながら、
王様と少女の会話は、時が経つのも忘れさせるほどに、弾む事となったのです。
次回はさんちゃん☆お願いします♪