翌日、私は頭痛と寒気に襲われた。
熱を計ってみると、38℃と表示された。
これは完璧に風邪だ。 最悪。
軽く朝ご飯を食べて、風邪薬を水で流し込む。
そしてベットに横になる。
寝てればよくなるよね。
あ、学校に連絡しなきゃなあ。
いや、面倒くさい、止めよ。
目を閉じると、私はすぐに眠りに落ちた。
*
インターフォンが鳴る音で、私は目を覚ました。
時計を見てみると、3時を過ぎたところだった。
随分寝てたなあ、私。
「リクー、リークー!」
その声と同時にインターフォンが何回も連打される。
この音は、頭に響く。
私はのろのろと玄関に行って扉を開けた。
「リク! 何で休んだの?! あと何で電話に出ないの?! 心配したんだからね!」
「ごめんごめん。何か風邪引いたみたいで……大きい声、出さないで?」
「あ、そーなんだ……ごめんね」
少しの沈黙の後、ユウカは何か思い出したかのように、あっと声を漏らして鞄の中をあさり始めた。
「これ、今日配られたプリント」
「ありがと」
そういえば、ユウカに何か頼まれてた気がする。
何だっけ……。
あ、アオトに彼女いるかどうかか。
一応聞いたし、言おうかな。
「ユウカ、アオトの事だけどさ───」
「アオトくん?!」
反応早いなあ。別にいいけど。
「彼女いないって」
「まじ?! よかったあ。でも彼女いないって意外」
「そーだね」
確かにそうかも。
アオトはかっこいいし、性格いいし。
彼女いないって不思議なくらい。
学校じゃ、モテてるんだろーなあ。
「そうと分かれば、こうしちゃいられないよね! アオトくん、どこにいるかな。学校? ってかどこの学校なの?」
「そこは聞いてなかった……」
「え?! まずはそこからでしょ! まったくもう!」
アオトのことはなにも知らなかった。
「じゃ私帰るね。次休むときは、私に連絡してよ?」
「はいはい」
私はユウカに手を振りながら見送った。
ユウカの姿が見えなくなると、私は中に入って扉を閉めた。
「寝直そうかな」
頭痛と寒気はまだ治ってない。
でもベットに入ると、意外にも直ぐに眠りに落ちた。