ユーガッタメール

三毛乱次郎  2010-07-28投稿
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駅のベンチで待つ、僕の携帯に着信ボイスが流れた。

『You've got Mail、You've got Mail』

(どうせ、何かの宣伝メールだろう…。)

大して期待もせずに、そのアイコンをクリックする。

現れたのはやはり、登録しているサイトからの、宣伝メールだった。

『おめでとうございます(^-^)』

まずはタイトルが表示されて、本文がそれに続く。

『あなたを殺してみたいという方が、500人中001人見つかりました。会員の方なら、今すぐ直メールで連絡が取れます。』

…なんだ、これ。登録した覚えもないのに?。

(しかも、僕を殺したいだって?。)

食い入るように見つめたその画面から、更に着信ボイスが流れた。

『You've got Mail、You've got Mail』

次いで現れた文面は、見知らぬアドレスからのメール。

『始めまして。いま、あなたと同じホームにいますよ。偶然ですね☆』

驚いた僕は辺りを見回したが、そこには誰もいない。

「何だ、悪戯メールか。」

ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、

改札をくぐって、一人の女性が僕に歩み寄ってきた。

「始めまして。」

もうじき電車の来るホームへ、ニッコリと笑いながら…。



『ユーガッタメール』終。



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