駅のベンチで待つ、僕の携帯に着信ボイスが流れた。
『You've got Mail、You've got Mail』
(どうせ、何かの宣伝メールだろう…。)
大して期待もせずに、そのアイコンをクリックする。
現れたのはやはり、登録しているサイトからの、宣伝メールだった。
『おめでとうございます(^-^)』
まずはタイトルが表示されて、本文がそれに続く。
『あなたを殺してみたいという方が、500人中001人見つかりました。会員の方なら、今すぐ直メールで連絡が取れます。』
…なんだ、これ。登録した覚えもないのに?。
(しかも、僕を殺したいだって?。)
食い入るように見つめたその画面から、更に着信ボイスが流れた。
『You've got Mail、You've got Mail』
次いで現れた文面は、見知らぬアドレスからのメール。
『始めまして。いま、あなたと同じホームにいますよ。偶然ですね☆』
驚いた僕は辺りを見回したが、そこには誰もいない。
「何だ、悪戯メールか。」
ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、
改札をくぐって、一人の女性が僕に歩み寄ってきた。
「始めまして。」
もうじき電車の来るホームへ、ニッコリと笑いながら…。
『ユーガッタメール』終。