そんな二人を見て豪快に笑いだした。その笑い方は十分怖いので雪野はいつも通り京都の後ろに隠れた
「いいだろう。ハジキの情報は教えたる」
「「やった」」
親分の言葉に二人はハイタッチする。あんなに迷惑をかけてよくOKをだしたものだ。と、思ったが
「しかし………だ」
親分が大きな声を出したので二人は思わずハイタッチをしながら止まってしまった。あのノーテンキな京都ですらあまりの迫力で止まってしまった。
「わしらを相手にするんやったら何かしら誠意を見せてみろ……あぁそこで倒れている奴のことは気にせんでええ。お前さんみたいな子供に簡単にやられるやつとは思っていなかったからな」
親分は笑いながら手に持っていた扇子で京都に倒されたヤ○ザを指して言った。
「親分……誠意とは?」
雪野が恐る恐る聞くと
「せやな〜わしらヤクザは女には何も求めん……あんさんやなく、そこの血の気の多い小僧………エンコ(指)置いていってもらおうか?」
そう言って京都の目の前にドスを一本投げた。
雪野はそんな本気で言っているんじゃないよね?と、思って親分を見るが親分の目は本気だった。
「そっそんなこと出来るわけがないじゃない!」
雪野は当然反発してきた。相手がいくらヤ○ザだろうが雪野の正義感が大きな声を出させたが親分は微動だしなかった。しかし、雪野の隣で京都はドスを右手に持っていた。
「ちょっと!鏡君あなた何をしているの」
雪野が止めようとするがヤ○ザに抑えられて何もできなかった。京都が左手にドスを突き刺そうと右手を振り上げた。雪野は思わず目をつむってしまった。京都の手から血が流れた瞬間
「あっ!」
京都は自分の手にドスが刺さったところで止めた。そしてドスが刺さったまま親分の方を見て
「親分!やっぱ指は勘弁してもらっていいっすか?」
京都は笑顔で言った。その言葉にホットする雪野と苦い顔をする親分
「なんだ?小僧?誠意は見せられないってことか?」
親分の低い声が屋敷に小さく響いた。その声に雪野を含め屋敷にいたヤ○ザまでもビビってしまった。しかし、当の京都というと
「いや!違います。ここで指を切っちゃったら止血と痛みでこれから警察から逃げ切ることができません。青山さんの足手まといになっちゃいます」