その日私は、春樹と再開した頃に自分が書いていた日記を読んでいた。
綺麗な想い出の中で、自分の気持ちを整理しようと思っていた。
日記を読み返して居ると、一枚のノートの切れ端が出て来た。
春樹が昔書いた、独り言の様な手紙だった。
【懐かしいな】
私は、そう思いながら、手紙を読み始めた。
手紙に書かれていた春樹の気持ち。
【今、好きな人に沢山迷惑かけて、不安にさせてるけど、俺の生活が安定して、これからの事、真剣に考えて、後悔しないと思ってくれるなら、本当に結婚したいと思ってる。
でも俺だけが幸せで、相手に後悔とか、辛いって思わせてたら、絶対俺が悪いから、俺はバツイチだし、大切な人なんだから、その人にとっての1番の幸せを考えてあげたい。
この気持ちを失ったら、自分が最低な人間になるし、大切な人を幸せに出来なくなる】
再開した頃に、春樹が書いた手紙。
きっとその頃の春樹は、心が不安で、いっぱいだったのだと思った。
春樹らしくない内容だったから。
ただ少しだけ、その手紙を読んだ自分の心が、強くなるのを感じた。
私の心が答えを探しはじめた気がした。
それから私は、毎日手紙を読み返していた。