ねぇ…大好きなのに。

春樹  2010-07-30投稿
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それから三月になり、私は母親の電話もメールも、無視していた。

もう、誰からも「産むな」と聞きたくなかった。

時々、「早く降ろさないと」と言う春樹の言葉も聞き流していた。

【勝手に言ってれば良い、誰にも、亜弥の赤ちゃんを降ろす権利なんかない】

ある朝、母親からメールが来た。

「なんで連絡とれないの?アパートに行けば会えるの?」

メールを見た私は、急いでアパートから逃げた。

だが、行く所もなく私は一人、カフェで考えていた。

【このまま逃げ続ける事も出来ない、どうすれば良いかわからない】

答えが出ないまま、私は6時間位悩み続けていた。

その時、携帯が鳴った。

母親からのメール。

「帰って来ないの?心配だから、連絡してよ、コトラ(私が拾って来て、実家で飼っている猫)も待ってるよ」

考えても、考えても、答えの出ない私は実家に帰る事にした。

意地を張っていれば、もっと答えは見つからないと思った。




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