「…少し考えさせてくれ。街を変えるということには、まだ抵抗がある…。」
「ありがとうございます?」
まだ決まった訳でもないのに…。
「では、また後日、お伺いいたします。」
「…なんで、あの時、私を助けてくれたの…?」
移動途中、大山は河内に尋ねた。
「何で、そんなこと聞くんですか?」
「えっ…?何でって言われても…。」
「自分は、この街を救いたい…と思っているんです。」
「…。」
大山は返答に困った。
「それと…。」
「何?」
「大山さんの過去も救いたかったから…。」
大山の顔が桜色になっていく。
もしかして…恋?
いや…私はもう、30を超えてる…。
こんなに若い男とは…。
しかも社内恋愛ダメだし…。
「べ…別に…あたしの過去なんて…。」
「…そうですか…、大山さん、さっきから顔赤いですけど…。」
「次行くわよ。」
大山の、ツンデレな性格は、治りそうにない。
それに気付けない河内も天然だ。