つい、加奈美もからあげの気持ちを考えてしまった。｢良子！かえしなさいよ！食べるから！｣
｢あらそ〜お？ならかえしてあげるわよ？｣
ポイポイッと無造作にからあげを投げ飛ばす良子。
机の上に転がるからあげ。｢ああ！良子！あんたも人の事言えないじゃないの！｣
｢アハハハハハ！｣
良子は甲高い声で笑った。｢良子！カナ！またやってんのかてめぇら！｣
｢｢ゲッ！｣｣
思わず二人揃って声を出してしまった。
ウザくて面倒臭いのが話に入ってきた。
同じ班の岩倉賢治だ。
賢治は二人を睨みながら言った。
｢からあげの話ばっかしてると、からあげになっちまうぞ！｣
真面目なのかふざけているのかわからない。
言ってる事はふざけてるのに、表情は真面目なんだから。
だからウザいんだよコイツ！
｢わかったわかった。からあげにはなりたくありませーん。｣
さすが良子。賢治の扱いに慣れている。
｢罰として、カナのからあげ、オレがもらう！｣
｢はあ！？｣
賢治が箸を持つ手をニョキニョキとのばしてくる。
その手を誰かが叩く。
｢月島くん！｣
同じ班の月島優輝。
学年一、頭がいい男子。
メガネがチャームポイントだ。
｢ありがとう！月島くんが同じ班でよかったぁ。賢治とは大違い！｣
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