ウイングスの球団社長である光台への挨拶も終わりに近づいた時、光台が勝利に話しかける。
「そういえば、明日チームの合同練習があるんだったな。君も行くだろう?」
「あ、はい行きます。」
「そうか場所は分かるかい?」
「いえ、まだそこらへんの話は聞いてなかったので…」
「そうか…明日は松山町にあるウイングススタジアムであるだ。」
「はい。」
「時間は朝10時からだ。まぁ当日担当の者をよばせているから、そこでユニフォームとかキャッチャー道具を貰ってくれ。」
「分かりました。」
「じゃあ頑張ってくれたまえ。」
「はい、ありがとうございます。」
「あぁ、そうだ。実はまだ寮の手配が出来てなくてな。」
「え?」
「すまないが、今日はホテルか旅館に泊まってくれないか?」
「え、あ、はい。分かりました。」
「すまないな。明日には手配しておくから。」
勝利は少しビックリしたようだが、なんとか落ち着いた様子で
「分かりました。それでは自分はこれで失礼します。」
「あぁ、ご苦労さん。」
勝利は挨拶を終え、社長室を出て行く。
一階のロビーに降り、応対してくれた受付嬢にも挨拶をし荷物を持ち球団事務所を後にする。
いよいよ明日からウイングスの一員として新たな野球人生がスタートする。