04.保健室
1日休んでも、風邪は治らなかった。
熱はちょっと下がったけど、だるさと頭痛はまだ残ってる。
でも学校行かなきゃ。
授業遅れたくないし。ユウカにプリント持ってきてもらうの、何か申し訳ないし。
マスクをして玄関を出る。
いつもは何とも思わないけど、アパートにエレベーターがないのを呪った。
私は階段の手すりに掴まりながら下におりていった。
「ううっ……」
アパートを出たとき、風が体に当たった。
寒い。凄く寒い。風邪を引いてるせいか……。
早く学校に行きたいけど、走っても15分かかる。
走る気には当然なれない。歩いてるのも、何か辛いかも。
やっぱり行くんじゃなかったかな。
今更になって後悔した。けど結構なとこまで来たし。
私は寒さを堪えながら学校に向かった。
*
昼休みになった。
普段だったらユウカのクラスに行ってお弁当を食べるんだけど、今日はそうしなかった。
風邪うつしちゃったらやだし。
あ、でも学校に来てるんだから誰かにうつしてるのか。
お弁当忘れたって気づいたのは、そう思ってすぐのことだった。
どっちにしろ、食べる気にはなれなかったからいいけど。
でも何か食べないと薬飲めないんだよなあ。
売店で何か買ってこよう。そう思って席を立った。
売店までの道のりが長く感じる。
ふらふらしてるから、壁に寄りかかりながら歩いていた。
だるさ、寒さ、頭痛のピークが来てる。
ああ、これはやばいかも───
そこで私は意識を失った。
*
目を覚ますと、私はベットに寝かされていた。
ここは……保健室か。ぼんやりとそう思った。
だるい体を起こすとおでこから濡れタオルが落ちてきた。
先生がやってくれたのかな。
タオルは冷たさを失っていた。
そういえば今何時だろ。ふとそう思って、ベットから下りてカーテンを開けた。
保健室には誰の姿もなかった。
先生は職員室かな。まあいいけど。それより時間は───
「……1時45分」
5時間目始まってる! 戻んなきゃ!
私が保健室から出ようとしたとき、戸が開いた。