何故、未成年である雪野が全国指名手配にならないといけなかったのか。雪野は事件発覚まで普通に生活をしていた。ましてや銃など昨日まで握ったこともない女子高生を、何故有無を言わさずに指名手配に出来るんだ!?と、今まで警察に言いたかった事をすべて二人は杉本に向かって吐き捨てた。
その言葉に杉本はただたんに圧倒された。警察内部でも、上層部が圧力をかけていて何もできなかったという事を、杉本は弁解ではないが二人に説明すると、二人の表情は変わった。二人はすぐに表情を戻したが杉本はそれを見逃さなかった。
「どうしたんだ!?」
杉本が二人に伺うと京都はあっという間に杉本との間合いを詰めて杉本の顔面へ拳を放ちギリギリで止めた。杉本は腰を抜かして尻もちをついてしまった。
「まだ、あんたを信用したわけじゃない!青山さんに無意味なレッテルを張ったお前ら(警察)を俺は一生許さない!」
京都が昨日、優に言ったみたいに怒鳴って杉本に言った。その威厳ではないが、気迫に杉本は生唾を飲み込んだ。雪野は本当に京都が仲間で良かったと心底思った。
「わっ分かった。僕も警官だから君たちを犯人ではないと決めつけることはできない。しかし、僕も君たちが犯人ではないんじゃないんかと個人的には思っているんだ。何か僕たちに……いや僕に出来ることはないか?」
杉本は少しでも京都達の信用を得ようと必死に説得すると
「私が犯人だって決めつけた証拠はなんでした?」
雪野がまた怒鳴ろうとした京都よりも先に口を開いた。雪野が何を言おうか分かったのか京都は「青山さん!」と、雪野を制止させようとしたが
「大丈夫よ。廃墟にあったあれはどうせ警察がねじ伏せるだろうから………」
雪野は肩を落として京都に言うと京都も分かったようで何も言わなかった。「(廃墟にあった?なんだ?)」
杉本が疑問に思った。