サユは、ポニーテールが特徴。真面目な性格で、正義感が強い。アキのことをずっと支えてきた幼なじみだ。
「そう…。そういえば、カズヒロくん。手話できるの?すごいね。」
カズヒロは、少し自慢げに胸を張りながら、
「うん。少しだけどね。日常会話ぐらいは。」
サユは、感心しているようだ。
「アキ。良かったじゃん。手話できるカズヒロくんと仲良くなれて。この人いい人よ。」
『うん。』
…私、カズヒロの事…
…好きだよ。
初めて、気持ちに整理がついた。
夕方、ヒロが働いている地元の喫茶店に集まることにした。
カズヒロとユウタは、サッカーの練習のため、集まることが出来なかった。
「アキ、良かったじゃない。改めて。これで、カズヒロくんと気軽に話せるようになるわね。」
『私も安心した。ヒロも、ユウタも、ちゃんと謝ってくれたし、耳が聞こえない私でも、笑顔で受け入れてくれた…。』
「…ねぇねぇ、そのことなんだけど、謝ったことで僕の株は上がったかい?」
ヒロがバイト中に割って入った。
『いい人だと思ってる』
「…なんて?」
サユは、照れ臭そうに、
「いい人だと思ってるって。」
「そっか〜。いい人か。」サユは、荷物の整理をし始めた。
まるで、ヒロの話を聞いていないように。
『ねぇねぇ。』
アキが、サユを呼んだ。
「何?」
するとアキは、パンフレットを取り出した。
『見てほしいの。』
「なになに…。」
サユは、パンフレットをよく見た。