奈央と出会えたから。<411>

麻呂  2010-08-03投稿
閲覧数[545] 良い投票[0] 悪い投票[0]


ユカの家を出てから、



聖人は、あたしを家まで送ってくれた。


少しの間、



あたし達は手をつないだまま、



何も話さないでいたんだ。



ユカが3学期いっぱいで転校してしまうなんて。



あたしもショックだったケド、



きっと、



聖人もショックだったんだよね。



今日は、ユカのお父さんが、ご自慢のお料理をご披露してくださると言うので、


招待されたあたし達だケド、



本当のところは、



その話をする為だったんじゃないかと思う。



『なぁ奈央。』



聖人に突然呼ばれる。



その言葉の続きは、ユカの話かな――



『うん?!』



仲間が――



『やっぱ考えさせられるよな。』



『え?!う‥うん。』



遠くに行っちゃうんだもん――



『あの料理は、なぜあんなに美味かったのか!!』



『は‥はあぁぁ?!』



聖人は、ふざけてあんなコト言ってたケド――



『俺、親父と2人暮らしだろ?!

日頃の食生活マジひでぇし。』



『うん。ちゃんと野菜とか食べてる?!』



ホントは、



あたしと同じ気持ちだったと思う――



『あ―。そーいや最近食ってねぇかも。』



『だめだよ。ちゃんと野菜もとらなくちゃ。』



寂しくなるなって――



『おぅ。じゃあさ、今度、奈央が作って。』



『‥‥うん/////

いいよ/////』



思ってたと思う――


『へっ。作れンのかよ?!』



『あっ!!バカにしてるでしょ!!

つ‥‥作れるもん!!』



ああ‥何だか――



『ハハハ。はいはい分かった分かった!!

ムキになンなよ!!』



『なってない!!』


涙が出そう――



『秋田谷と一緒に過ごせンのも、あと半年もねぇケド、

思いっきり楽しい2年の思い出作ろうゼ?!』



『うんっっ!!』



あなたの笑顔はたまに、



とても悲しそうに見えるね――



あなたと出会ってから2回目の秋が、



通り過ぎようとしています―――



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 麻呂 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
本気で盛るなら
Chillax(チラックス)★


▲ページトップ