「もしもし?」
「あ…俺。」
付き合ってるわけでもない。
ただあたし達はお友達。
電話なんてしょっちゅうしちゃう。
ただ高校は離れちゃって
遠距離だから会えないけど。
でも電話きたらやっぱ嬉しい。
好きか?
そう聞かれたら、
うんと答える。
ただその好きは、恋の好きじゃなくて、
もっともっと大きなもの…
他愛のない話しをした後
いきなり真剣な声になった。
「俺さ…」
「ん?」
「付き合ったんだよね」
急すぎてあたしの心臓がもぎ取られるかと思った。
この痛みはやっぱり
好きだからと今さら痛感する。
「え、そうなん?おめでとう!!よかったやんなあ!なら、あれやんな。彼女さんに悪いしもう電話とかもしたらあかんな!」
あたしは明るくしろ明るくしろそう心で唱えながら言った。
「そんな必要あるか?だって俺ら大親友やろ?」
そういうあなたはズルい。
「いや、あたし女やしやっぱ彼女に悪いよ〜。だからさあ…」
こういうあたしはただの強がり。
素直になれないだけ。
気付いてよ。
あなたはあたしの事
よく知ってるやんか
「…アホ」
あなたはこの言葉を残して
電話を切った。
あなたはあたしにとって
大好きで大切で
あなたの代わりなんて
もちろん誰もいなくて
最高の男友達であり親友だよ。
もちろんそれも嘘じゃないけど
だけどね、本当は
あなたのこと
男としても大好きなんだよね。
皮肉だね、今気付くなんて。
だけどあたしずっと
思ってたんだよ。
結婚するならあなただって。
あれから全く連絡してないね。
元気かな?頑張ってるかな?
きっと元気だよね。
会いたいなあ…。
−チャラララ♪
「もしもし?」
「あ…俺。」