あれから・・・三年がたった。いや、まだ三年しかたってない。思い出すと今でも昨日の事のように鮮明に一つ一つ覚えている。
さっちゃんは、あの日の夜誰かの代わりに一日だけバイトに来ていた。気さくで可愛くマニュアル化した話しもせず、少し笑い沢山の話をしてくれた。共通の人や共通の趣味、地元の話題など、普段はお客さんの聞き役の僕もなんか彼女の全てを知りたくて、なんで君みたいな娘がこんな所にいるのか不思議でしょうがなかった。
「彼氏は今いないよ!まだ群馬から帰ってきて、そんなに経ってないから。」
やった!これで少しでもチャンスがあると思いうちの美容室に来てくれるよう、アドレスを交換した。帰りも送ってくれるみたいだったが、彼女と同棲してる事も言ってないし、ましてアパートまでは・・・断った。
オーナーはタクシーで帰り、僕は遠かったが歩き続けた。途中ドブにも片足が落ちた。片足がえらい事になったが酒に酔い女に酔った僕には痛くも痒くも臭くもなかった。