天使のすむ湖41 同性愛伝説

雪美  2006-08-31投稿
閲覧数[340] 良い投票[0] 悪い投票[0]

翌日、登校すると、恐ろしいことに、俺が桜井に抱き上げられている写真が、校内に張られていた。新聞部のしわざだなーと思った。
また少し頭痛がした。
風邪のせいじゃない、
「相馬先輩よーやっぱり絵になるわねー」
女子がうっとり写真を眺めている。
俺は違うぞーと内心泣きながら・・・
「岬のせいだ・・・」
つぶやいても、もう誰もそんな話は信じないだろうと思った。
「よく撮れてるよなー新聞部の奴らさ日常的に狙ってるって事だなー」
桜井は少し嬉しそうだが、俺は返事をする気にもなれずに教室に行くことにした。
いつもは俺が桜井を乗せて登校するのだが、今日は桜井が運転してきた。
そのおかげで、余計に噂に火がついたようで、噂の威力を思い知った。
「一樹、もう大丈夫?」
岬が心配そうに覗き込んでいた。
「ああ、大丈夫だよ、」
と言いながらも、岬に笑顔すら向けられない、
「すっかり桜井君も人気者になってね、桜井君ファンがいるらしいのよー」
「ふーん」
とそっけない返事をすると、不服そうに
「そのほうが変に勘ぐられるより良いでしょう。」
と小声で言った。返事しないでいると、
「そんなに怖い顔しないでよー」
とすねたように言って、更に小さな声で岬は続けた。
「昨日、香里さん家に行ってきたわー元気そうにキャンバスに絵を描いていたわよ。寝つくまでついてたんだけど、一樹に会いたそうだったな〜今日は行けるよね〜」
「必ずいくよー」
「マスクしてねー香里さんに風邪がうつったら大変だからー」
俺は無性に香里に会いたくなって、授業にも桜井の悪ふざけにも上の空だった。たった一日会わないだけで、長い時間会わない気がした。しかし桜井にも言われたように、無理は禁物だと思った。まだ咳がゴホゴホと出ていた。


i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 雪美 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]
ツルツル×脚痩せ
効果抜群↑ソルト


▲ページトップ