つまり?KPHL?を持っているこの人が警察官を殺した真犯人だということだ。
もちろん拳銃をわざと使ってこの人に濡れ衣を着せることが出来るだろうが、すでに雪野が犯人として濡れ衣を着せている時点でそんな事をやる必要がないだろう。
十中八九こいつが犯人ということで間違いないだろう。
しかし、なぜ警察官が警察官を殺さなければならないのだろうか?それにこの人が犯人としても、ライフルを使用した犯人はもう一人いるはずだ。そいつも挙げなければ事件は完全な終わりにはならない。そして、最後に疑問に残るのが何故渡沼は希少価値のある?KPHL?を使ったのだろうか?自分の足がついて自分に非が出てしまう。
二人はその場で考えた末に一つの仮説にたどり着いた。【KPHLしか使用できなかった状況だった。殺す時にアクシデントが起きた。今現在としてはアクシデントの張本人は雪野がその現場にいたということ】ということだ。事件当日の事は、雪野の目を見ればなにもなかったことに嘘偽りはなかった。しかし、アクシデントが起きない限り愛知県警の代表である渡沼がKPHLを使うなんてヘマはしない。
「けど、私は本当に一昨日何もなかったのよ」
雪野は本当に自分が覚えていないことを主張すると京都は雪野に指をさした。
「そう!そこなんだ」
いきなり京都が大きな声を出したので雪野はびっくりして「なっ何がそこなの?」と、聞くと京都はまだ考えがまとまっていないのか言葉を慎重に選びながら話した。
「青山さんは事件前夜のことは全く覚えていないって言っているけど、被害者全員の顔には見覚えがあるんだよね?」
「えっ?うん……どこかで見た記憶はあるんだけど、どこで会ったのか覚えていないのよ」
雪野は被害者の資料を再度見て答えた。
「そこなんだよ!え〜とどういえばいいのかな?あのさ、もしかしたら青山さんは記憶喪失の可能性があるかも」
京都の口からとんでもない言葉が飛び出してきた。京都の発言に驚いた雪野だったが
「記憶喪失!?ばかね〜私は昨日普通に学校に通って私はちゃんとクラスのみんなや鏡君のことを覚えていたのよ」
雪野は笑いながら答える。確かに雪野は事件発覚までちゃんと生活ができていた。