昔々、
おじいさんとおばあさんが住んでいました。
二人は大変仲良く暮らしていましたが、なぜか子供ができませんでした。
なので二人は神社に
お参りをしていました。
「私達はもう人生に悔いはございません。ただ、子供ができないのが心残りです。私達のどちらかが先立てば、一人残った老体で何ができますでしょう!どうか神様!私達に元気な男の子を授けてください!」
するとなんと、一寸ほどの小さな男の子が現れました。
二人は驚き、顔を見合わせ言いました。
「こんなちっこいのに、何が出来るんだベ。」
「そういうな。せっかく神様から頂いたんだ。大切に育てんべ。」
「なにをゆうちょる!第一わしらは男の子ゆうたんじゃ。赤ん坊じゃなか!そのまえに、お前に母乳がでるんか?貧乳ババア!」
「…………出ん。」
この男の子は見世物小屋に高値で取引されました。
そのお金でジジイは若い娘を買い、ババアは打ち手の小槌で胸を大きくしました。
そして一寸法師は自分を捨てた親に復讐すべく、見世物小屋から脱走しました。このジジイの若い娘が後の一寸法師の嫁となるのは言うまでもありません。