「それは無理だよ〜。」
にわかな期待はエミの言葉によって消された。
まだ、2人きりなんて早いよな。
それどころか、俺とエミちゃん…。
釣り合ってないのかな。
いかにも、チャラチャラしてそうなアホな俺と、
真面目で、
ちょっと天然入ってて、
笑顔がかわいくて、
天使のようなエミ。
隣に座っているエミが遠く感じた。
「それよりさ〜、
ユッキーは彼女つくんないのかよ〜?」
コウの声が俺たちの話を遮った。
「うちの高校の女子で、ユッキーのファンいっぱいいるぞ〜。」
コウはなぜか得意げにリナに話す。
「かわいい子、紹介してもらいなよ。」
リナは俺の方を見て、話す。
「…いいよ。」
と俺が言うと、
「早く彼女作ってWデートしよ〜ぜ。
同クラのユウナはどう? 」
とコウは騒ぐ。
「…いいよ。ったく勝手なこと言って。」
と俺がブツブツ反論した。
「まんざらでもないんじゃない?」
隣からぽつりと呟く声がした。
「…エミちゃん、どしたの?」
俺は思わず、口をあんぐり開けてしまった。
「だ・か・ら!
女子からモテて悪い気はしてないんでしょ? 」
なぜかエミの目は血走っている。
「…ごめん、私、先に帰るわ。」
エミが席を立った。