がんばったで賞 20 〜あなたが好き…1、作者おすすめの純愛シーン〜

るー6  2010-08-08投稿
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歩道橋の手すりから離れ始めた手を、カズヒロは間一髪掴んだ。
「アキ?今助ける?」
アキは、歩道橋に宙ぶらりん状態だった。
もし、あとちょっとカズヒロが遅かったら、アキは死んでいただろう。
何とか、歩道橋の中へ引きずり込んだカズヒロは、汗だくの顔で、
「良かった…。無事で。」『…カズヒロ…。』
「何で、自殺しようとしたの?」
アキは黙り込む。
「何で、かけがえのない命を、捨てようとしたの?」アキの目に、涙が貯まってきた。
「よし!話ありそうな顔してる!俺聞いてやる。話してごらん。」
『別に…何でもないよ。』アキは、最後の最後まで誤魔化そうとした。
「本当かよ。だって、涙が出てきちゃってるよ。何か、悲しいことでもあった?」
…私を…支えてくれる人…。

あなたの姿が、すごく輝いて見える…。

ありのままの私を、打ち明けられる人だ…。

アキは、震える手で、伝え始めた。

『カズヒロは、ありのままの私を…受けとめてくれる?』

カズヒロは頷いた。

『ありのままの私を…支えてくれる?』

アキの涙が、手話をしている手に落ちた。

カズヒロは、さっきより大きく頷いた。

『これからも…ずっと?』
最後の質問。手話もゆっくりやった。

カズヒロの目も、潤み始めた。

『ずっと…一緒にいてくれる?』

カズヒロは、手話で伝えるアキを止め、抱きしめた。
『ずっと…。』

「うん。」

『私は…カズヒロのこと…好き。』

アキはカズヒロの胸にうずくまった。

「何だよ急に。」

『みんなから急かされて、かしこまって言えなかったから…。』

カズヒロは頷いているようだ。
『私…アズサっていう女に、言われたの。』
「なんて?」

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