世紀末戦記

カザン  2010-08-08投稿
閲覧数[345] 良い投票[0] 悪い投票[0]

第2章

朝早くからの買い出しでジャックは眠たかった。潮の匂いがする。

朝からゼ・ロマロの港は騒がしかった。空では鴎がうるさく鳴き、道には人が溢れている。

そんな鴎たちを一掃するかのように空では定期便の大型船が飛んでいる。

一体何を動力に飛んでいるのだろう、とジャックは初めて見た時考えたものだが、今では見慣れてしまって当たり前になってしまった。

でもそれが朝から2、3隻飛び交い、鴎の鳴き声なんか到底及ばないものすごい爆音を出している。

この町ゼ・ロマロはラザール一のいや世界一の港町だ。

地理的には世界のほぼ真ん中に位置し、西にあるフラシリスやデラルそしてイャスからは王都に運ばれる大量の鉄や鉱石が。
連邦で最も南のベリア共和国からはたくさんの海産物が。
東からは王都ラッツァルキアから軍都ベリリトラで訓練を受けにいく兵士たちが。
そして北からはジークやアムチャットから戦火を逃れて来た移民が。
東西南北から人やものが集まるこの町にとって静かな朝などありえないのだ。

ゼ・ロマロはすみやすかったが、元気がよすぎて朝から騒がしいのが玉に傷だと誰もが思っていた。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 カザン 」さんの小説

もっと見る

ファンタジーの新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ