目が覚めると花火が上がる時間はとっくに過ぎ、時計は夜10時を回っていた。
「うわ、もうこんな時間か…。」
お風呂に入ろうと下の階へ行くと、リビングから奴の声がする。
しかも呑気に笑いながらウチのお母さんとお父さんと話している。
話しに混ざるタイミングも取れないし、第一に私は絶賛ご立腹中なのだ。
「ふんッ!」
私はリビングに行かず、そのままバスルームへ行った。
イライラしながらシャワーをしていると、
「なぁ、怒ってんだろ?ゴメンって。」
突然すりガラスの向こうから勇の声がした。
「ギャー!!何やってんの!?あっち行けー!」
私は叫びまくった。
「じゃあ、花の部屋に居るから。」
そう言って勇は脱衣場から出ていった。
「あいつバカなんじゃないの?ってか、なんでウチの親は何も言わないのよ!」
ぶつぶつ文句を言いながら急いでお風呂から上がった。
リビングへ行くと両親が、「全くあんなに叫んで〜。もっと勇ちゃんのこと大事にしなきゃダメでしょ?」
「いやいや!その考え間違ってるから!娘をもっと大事にしてよ。」
濡れた髪をタオルで拭きながら部屋へ向かった。