勇の隣に座ると、勇が肩をコツコツぶつけてきた。
「ちょっと、何?」
そう言って勇に向き直ると、勇の腕が伸びてきて抱きつかれた。
勇の肩にアゴを乗せ、しばらくそのままでいた。
「花さー、ケータイの電源切ってたろ?マジ焦った。」
「それは勇が悪いから。」
「そうですね。」
私は肩にアゴを乗せたままフフッと笑った。
すると勇の腕に力がこもってきてギューっと締められ、私の首筋に勇の唇が当たった。
「シャンプーの香りがヤバイ…」
そう言って勇がグイグイ覆い被さってくる。
「コラコラ!勝手に勢いづかないでよ。」
慌てて勇の胸を両手で押した。
「あー、うん。すまん。」
勇が少しガッカリしながら鼻の頭をポリポリ掻いた。
「俺、帰るわ。」
「あ、うん。おやすみ」
私はあっけに取られてボーっとしながら頷いた。
すると勇が去り際に、ボーっとしている私にチュッとキスした。
「次はわかんないからね。そろそろ覚悟しといて。」
と小声で言って頭をポンと叩いた。
勇が帰った後も、勇の言葉が頭から離れず眠れなかった。