「お待たせ〜」
客に愛想笑いをする。ご飯に行く事になった。
この人は毎日お店に通ってくれる人。もの分かりよかったので出来る事はやってるつもりなんだけど…なんだか最近様子がおかしい。所詮いくらがんばっても私からは客は客だ。そろそろ潮時かな…私はそんな事を考えながら急いでご飯を平らげた。
「御馳走様でしたぁ」
私はタッタとお店を出ようとした。その時だった
丁度レジと死角の所で腕を掴まれキスされそうになる。
ガバッ
私は思わず突き飛ばしたやばっ。一瞬そう思ったが嫌なもんは嫌だったから。
「ごめん…」
悲しそうな顔で謝ってきた。なんだか私のお人好しの性格が出そうになったがとりあえず、怒ることも出来ずがんばって笑って店を一人出た。
私は歩きながら、考えてた。結局は肝心なとこは曖昧にしてごまかして勘違いさせたのは私だ。それが仕事。割り切らなきゃいけないけど相手の事を思うと切ない…とりあえずこれ以上はもう無理だ。あの人は切ろう。色々考えてたら足が勝手にキラくんの所に向かっていた。