生涯の恋人 10話

ふく  2006-08-31投稿
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「実はさ、次にまた一緒に勉強する時にそのこと言おうと思ってたんだ。先にそんなふうに聞かれるとは思わなかった。」

「うん…。」

「俺で良ければ付き合って下さい。」

「よろしくお願いします。」

最高に幸せだ

結局彼から言わせてしまった
でもそれが私の計画だった

作戦成功


その日から私たちは『友達』から『恋人』になった

『彼氏』『彼女』
憧れだったこの響きが現実になると少し照れくさい


「ヒロコ、熊崎くんと付き合うことになったんだ。」

「うそっ!良かったね〜!」

自分のことのように喜んでくれた

「朋美から言ったの?」

「いや…向こうから。」

思わず赤面してしまう

「何て何て!?好きですって?」

「付き合ってって言われた。」

『ちょっと待てよ。好きだなんて言われてないな…私のこと好きなのか?好きだから付き合うんだよな〜…』

彼の大事な気持ちを聞き忘れていた
重大ミスだ

熱を持った頬が一気に温度を下げた

『気にするな!付き合えたんだ!結果オーライ!』

自分に言い聞かせた
「ほんとに良かった良かった!さっそく彼氏に報告しなきゃ!」

「こうなれたのも、ヒロコたちのおかげだよ。ありがとう。」


彼とは『受験が終わったらどこか遊びに行こう』と約束をした
毎週一緒に学校へ勉強をしに行っても話ばかりで
『遊びに行った方が良かったかな』
といつも思うが
未来の『二人の約束』があるだけで頑張れた
毎日の登校が楽しみになった


『恋人』になってからは毎朝駅で待ち合わせをした
学校までの短い距離を二人で並んで歩いた

朝一番に彼の顔が見れることが幸せだった

毎朝の『おはよう』が嬉しかった

彼の隣を歩けることが幸せだった

私を見下ろす彼の顔が好きだった

彼を見上げることが幸せだった

毎朝『大好き』と彼に言いたかった

一人で歩いていた学校までの道のり
前までは早歩きで歩いていたのに
今はゆっくりと歩くようになっていた

「ごめんね。私、歩くの遅いから。」

少しでも長く彼と並んで歩きたかった



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