「あぁぁぁ！もしかしてタレントの大越 旬！？」
雪野が警備員を指さして叫ぶ。雪野の反応に旬と言われた警備員は満面の笑みを出して
「おっ！流石女の子は俺の事を知ってるね！」
旬は、満面の笑みで雪野に握手をしてきた。
雪野は声にならない声で両手で握手してきた。
一体全体何がどうなっているのだろうか？京都は雪野に
「ねぇ佐藤さん？……この人誰？」
京都が雪野に説明を求めると雪野はだいぶ興奮して
「かっ鏡君知らないの？この人は三歳から子役で活躍していまや日本を代表する名俳優よ！」
なんと、京都と雪野を助け出したのは今、日本中で一番といっていいほど有名の俳優だったのだ。雪野は京都に「知らないの？」と、再度聞くと
「うん……僕はサブちゃんとかジェロが好きだからな〜」
「「演歌かい！！」」
あまりにも意外な答えに雪野と旬は同時に突っ込んでしまった。
雪野の興奮が治まったころに、三人は本題に入った。
「旬さん……なぜ僕らを助けたのですか？」
京都は、真剣な顔で旬に聞いた。確かに旬は京都達の正体を知っていながら二人をかくまっている。
しかし、旬は相変わらず二人に笑みを向けて
「まぁ、助けた理由は高校生で指名手配になった君らに興味が湧いたと、言っておくかな？けど、君たちに一つ先にアドバイスすると、軽い変装は人込みでは有効だが、ここはいわば変装の達人がそろう場所だ。そんなところ（ＴＶ局）で、うろうろとしちゃすぐに見つかっちゃうよ。けど、それを承知か承知ではないか定かではないが、君たちはここへ来た。目的があるんだろ？」
旬が笑顔を崩さずに逆に聞いてきた。出会ったばかりで信用ならないが、現状が現状なので二人はここにいる理由を話すことにした。
「えっ？このＴＶ局を乗っ取りにきただって？」
旬は話を聞き終わると、先ほどまでの笑顔なくし、ポカーンと口を大きく開けた。二人はこくりとうなずくと旬は、いきなり大爆笑した。「そんなことできるわけないじゃん」と、雪野と同じセリフで笑っていたが
「確かに、そうですね。けど、最初に有名なあなたに会えて良かった」
京都は旬の顔を見て安堵の表情で言った。
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