君と見た空*6の1

玲唯  2010-08-18投稿
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06.カラオケ


───『明日10時に駅前だって』


───『頑張りなよ!』


昨日、ユウカからメールがあった。


 時間を伝え忘れた結城くんから伝言を受け取ったみたい。


ちょっと早めに着いちゃったなあ。


結城くんはまだ来てないみたいだし。


私は公園のベンチに座って結城くんを待った。


 結局風邪は治った。


 先生の言いつけを守らないで、夜遅くまで今日着ていく服選びをしてたのに不思議。


「早く来ないかなあ……」


辺りをキョロキョロしていると、正面の道路に1台の車が止まった。


私がその車を見ると、車から誰かがおりてきてこっちに走ってくる。


「待たせてごめんね」


結城くんだった。


 私は慌てて首を横に振る。


「じゃ、行こーか」


すると結城くんは私の手を取って車の方へ向かった。


ゆ、結城くんが私の手を! やばい、心臓が!


車には4人乗っていた。


運転手の男の人と助手席に乗っている女の人。


 2人とも年上そう。


 そして後部座席に座っている女の子と、その隣に座っている男の子。


この2人は、どちらも同い年くらいに見える。


てっきり、私と結城くん2人きりかと思ってたのに。


何か残念。


でも、誘ってくれたのは凄い嬉しいからいいか。


「さ。乗って乗って!」


助手席の男の子が私を促すと、結城くんは後部座席の戸を開けてくれた。


私が乗り込むと、結城くんが隣に乗って戸を閉める。


そして車は出発した。





車は駅から少し離れたカラオケ店に止まった。


私たちは車からおりてカラオケ店の中に入っていく。


「リクちゃんってさ、彼氏いるの?」


個室に入るなり後部座席の女の子、リエちゃんに言われた。


「いないですよ!」

「えー。嘘でしょ? 可愛いのに」


年上そうな女の人、ミキさんも交じってくる。


「いないです、本当に」


しばらくそんなやり取りが続いたとき、結城くんが部屋に入ってきた。


「何で飲み物選ばないんだよ。ドリンクバーだってさ。飲み物、何飲む?」


皆の注文を聞き終えた結城くんが部屋を出て行こうとした。




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