―――数時間後
in ファミレス
「…その…こっ困ります!」
「なんでよ〜一緒に遊ぼうや、彼女〜?」
「ええやん、ええやん」
店員にうざ絡み中の客とその様子をちらちら気にする周囲
「で、ですから…」
「何?客に対してその対応!」
「ええから、一緒に…」
バシャア!
腕を掴まれたまま驚いた表情の店員と水浸しになった客。周囲はしんと静まり、彼らの視線の先には空のコップを持った別の店員
「ここ、そういう店じゃないんで、出てってもらえます?」
「何やねん!お前っ…!」
殴りかかった男の拳をさっと避け、足に蹴りを喰らわした
「つぅっ…!!」
「…だから、はよ出てけっつってんでしょ?」
「す…すみませんでしたあ〜!」
走りさった男と勇敢な彼女に群がる女子
「先輩…!ありがとうございました!!」
「ええよ、別に」
「さっすが、美弥!」
―――高橋 美弥(19)
元“ザ・ブルービーツ”T.Sax
現在は地元の大学に通い、ファミレスにてバイト中
「またあんたのファンって女子、増えるやろなあ」
「ほら、今日もあんたに会いにきた女の子がおるで」
仕事もせずに集まってきた店員の言葉に美弥は顔をあげた