「ねぇー君ってさ、ホントに不思議な髪の色してるよね。」
「スカイラークのも悪くない」
「わー嬉しい、そういうとこ好きだよ、ありがとう」
僕は正直に言った。だって、何のまざりっ気もない髪は本当に綺麗だった。初めてあった日から彼女を気に入って、次会ったときには告白した。スカイラークはこころよくOKって言ってくれた。人と話す機会のない僕は不器用な言葉づかいで精一杯伝えた。
それからは僕が紅茶をたのむとひょっこり現れ夜遅くまで話し込むことが良くあった。スカイラークは沢山の話を知っていて、それは泉のようにわき出てきた。日を数えるのも忘れ気がつけばもう数ヶ月にわたっていた。
僕が言うと変かもしれないけれど、本当に彼女は可愛くて、夢のような日々だったんだよ。でも、ある日それが終わりを告げた。
「あ、知ってる?ここら辺にさ最強のアサシンがいるってこと?」
僕はすぐに分かった。それは自分のことだと、よく噂でも耳にする。
「それが?」
紅茶に口をつけた。
「んーと、情けないことにそのアサシン『敵のボスの娘』と一緒にお茶してるみたいなんだよね〜」
僕は耳を疑った。スカイラークが敵だったということに。
「・・・・僕、明日からここに来ちゃ行けない・・・・」
「え?何て言ったの??」
スカイラークは耳に手を添えてそう聞き返した。僕は適当な代金を払って、スカイラークの手を引いて店を出た。心臓がやたら五月蝿く機能して、痛いくらいだった。目頭にも熱い物がこみ上げてきて思わず上を向いた。
「どこいくの?」
「話があるんだ」
このことが父さんに知られてはすぐに抹殺するよう言われるに違いない。ならばあえて今のうちに0に戻した方が得策だった。
「別れよう、僕は君の敵だ・・・」
どんなに名残惜しかろうと、悲しかろうと彼女には生きていてほしかったんだ。