18.
−三ヶ月後−
丈 はアパートを借り新しい会社での仕事にもなれてきていた。
これも全て 香 が 丈 を支えていたからだ。
丈 は 香 が居なくては何も出来なくなっていた。
香 の一途な想いに 丈 も 香 を好きになっていった。
今日は病院で検査があり帰る途中だったが何故か宝くじが欲しくなって、この前の宝くじ売り場へと寄ってみた。
おばあさん「なんだい、またアンタかい。」
丈「いや…あの…」
おばあさん「この前のクジ券は?」
丈 は、この前のクジ券の事なんかスッカリ忘れていた。
丈「あっ!」
丈 は財布の中から小さく折り畳んだクジ券を出して、おばあさんに渡した。
おばあさんは渋々、クジ券を受け取ると判別機に入れた。
おばあさん「…ちょとアンタ!当たってるよ。すぐに銀行に持って行きな。」
丈「えっ!?」
おばあさん「なに、ボーって立ってんだ。早くお行き。」
丈「あっ、はい。」
丈 はクジ券を受け取り言われるまま銀行へと向かった。
徹「えっ!?なんだって?」
ホテルの係員「えぇ、ですから、こちらのカードも、ご使用にはなれません。お出し頂いた3枚のカードは、どれも、ご使用出来ないです。現金は、お持ちですか?」
徹「ちょ、ちょっと待ってくれ。お、おい、真理。今いくら持ってる?」
真理「えっ?なによ…1万5千円なら私が払うわ!」
真理はホテルの係員に1万5千円を投げ付けるように払い店を出た。
真理は明らかに不機嫌でイライラしていた。
徹は慌てて会社の経理課に電話を掛けた。
しかし携帯電話からは「現在、ご使用されている携帯電話は…」と携帯電話会社からの使用不可の音声ガイダンスが流れるだけだった。
すると真理の携帯電話が鳴った。
真理は見知らぬ番号に首を、かしげながら電話に出た。
「もしもし。わたくし、浦道の家内です。うちの主人とかわっていただける?」
突然、言われて真理はビックリして無言のまま徹に携帯電話を渡した。