「ん?なぜだい?」
旬は相変わらずの笑みで尋ねると
「あなたの知人にこんな馬鹿げた企画をこのTV局でやってくれそうな人はいませんか?」
京都がそう聞くと雪野もあとからお願いをした。旬は少し考えて
「う〜ん…そんな企画をやろうとしたら結構な権限を持っている人じゃないと急には出来ないな……」
旬がブツブツと考えるとある一人の人物が頭の中に浮かんだがすぐに嫌そうな顔をした。
「一人なら、それに該当する人がいるんだけど……」
旬はあまり乗り気ではない様にボソボソといったが
「本当ですか!?」
と、二人は喜んですぐにでも会わせて下さいと、旬に頼んだが旬は一言「だけど、その人はかなりアレだから気をつけてね」と、言い、隣の空いている部屋で待つように指示して受付まで向かった。
数分後館内アナウンスで『大津さん至急第五準備室までお越し下さい。大越さんがお待ちです』と、流れた。
数分後、京都達が待っている準備室まで大津という人物はきた。
旬曰くその人はかなりアレな人なので、初めは隠れているように言われた。ドアがノックされ大津という人が入ってきた。40代といっていたのでおっさんを想像していたがかなり童顔で旬と変わらないくらいに見えた。背も小さいのも若く見える理由だった。
二人は陰から「結構若くて感じのいい人っぽいね」と、囁いていたが、その第一印象はもろくも崩れ去った。
「しゅ〜んく〜ん」
!!?
二人は唖然とした。なんと、大津という人が部屋に入ってきた瞬間に旬に向かってダイブしてきたのだ。
旬は、なんとか大津のダイブをかわした。大津は壁に激突して鼻を押さえながら「いけず〜」と、鼻血をなめながら言った。
陰で見ていた京都と雪野は背筋に悪寒が走るのを感じた。
「(ゲイ!?)」
京都と雪野は旬があれと言って大分嫌そうな顔をした理由をようやく理解した。
二人は、初めてゲイを見たので、ドン引きして出たくないと思った。
しかし、旬が大津をおとなしくさせたので旬の合図とともに物陰から出てきた。
「実は大津さんを呼んだのはこの人達と会ってほしいからです」
京都達が出てくるとともに旬が説明した。大津は「誠って呼んで」と、気持ち悪く言うが二人が現れた瞬間流石に言葉を失った。