私は美香16歳。
女子高通い。
恋多き女。
友達だって多い。たぶん人気者――――。それがアタシ。
「おねーちゃん、どいて」
鏡を見て、うっとりしてる姉を美香の妹の春がどかした。
「ふん、だっさ」
美香は膝丈のスカートに二つ結びの妹に向かって言った。
春は頭がいい。私立の中学に入っている。
遊びっぱなしの美香はもちろん、頭はよくない。
マスカラぬってリップをつけて、色の抜けたブラシを通す。柑橘系のコロンをつけた。
「よっし?」
これから学校に行く。
「きょーも可愛いっ」
美香には彼がいる。学校でも有名なイケメン。
遊んでるからやめとけって言われたけど、それでもいいと思った。
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愛 も誓ったし………………………。
くすり 美香は笑った。