「どうだった?」
「…そうだな。かすみさんとは、前回話した時よりは、前進出来たんじゃないかな」
「良かったな。でもお前的にはどうなんだよ？これからのことは」
「時間かかると思うよ。心情的には良くても、距離って問題は、そう簡単に解決出来ないし…」
「まあ、悩みに悩めよ。俺は、自分から行くことにしたし、いい感触を、得てるしな」
「それは、いいことだよね。俺も頑張るよ」
「ところで、りおさんは、どうなんだよ？お前的には」
「…」
哲彦の、この質問に義人は沈黙した。
「その感じは、心のどこかに、まだ消せない存在として残ってるんだろ？…わからないでもないけどな」
「でも…きっと、かなわないだろうなあってゆう思いもあるんだよ。彼女の仕事は、そういう仕事だし、どれだけ親しくなっても、これ以上はっていう線引きが、あるんじゃないかってね」
「じゃあ、俺はどうなんだよ？」
「哲ちゃんの場合は、巡り合わせっていうか、きっと運命の出会いだったんだよ。彼女にとっても、哲ちゃんが、そういう存在であるようにね」
「お前、傷つくのを怖がってるよ。そうだろ？」
哲彦の指摘は、ずばりだった。
「いい加減、もう引きずるを、やめろよな。せっかく、お前が、始めた旅行なんだからよ。確かによ、あの時のことを、完全に消し去れっていっても、難しいんだろうけどよ。俺だって、あの恋愛のことを、ぬぐい去るのに、こうやって頑張ってるんだからよ」
「…そうだな。俺、引きずりすぎだな。りおさんには、それなりのことは、聞かないとな。俺頑張ってみるよ」
「遅いよ。いいおじさんなんだからよ。もういい加減、次のステップへ進もうぜ！」
「そうだよな。このままだと何も進まないよな」
２人は、納得した。
だが剛夫は、２人の会話を、黙って聞いていた。
それに気づいた哲彦は、聞いた。
「で、お前はどうなんだよ？」
「いや特に…」
「なんだよそりゃあよ…」
またしても、剛夫のしまらない返答に、不満を残しつつ、3人は、関東に戻った
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