屈折した光に追われ
私は硝子の螺旋を指でなぞるように
逃げるのです。
言葉にできぬ
愛が必要ならば
どれ程までに私は無力なのでしょう
少ない手段を失えば
何も貴女に伝ゆることができず
殻という殻に
悲しみと
切なさと
貴女への愛しさを
詰め込むことしかできないのです
貴女は今
何処で
誰と過ごしているのでしょう
失う前に
今よりも愛してると伝えられたら
何か変えられたのでしょうか
答えはいつまでもわからぬままに
私だけを拘束しているのでしょうか
貴女はもう
私のことを思い出すことも無いのでしょうか
たった一度でも
貴女の笑顔と声が聞きたくて
私は空白の時間の中で
過去を悔い
今に嘆くのです
貴女に伝ゆることのできぬことに嘆くのです
屈折した光に追わるる身を焼き
空白の時間の中で
殻という殻に
悲しみと
切なさと
貴女への愛しさを
詰め込むことしかできないのです