白藍は会って数回の私を何故すんなり愛せ、受け入れられるんだろう?そう思ったら白藍が分からなくなった。
嘘をついているようには見えない。
でも愛してるその言葉に実感を持てない。
私は会ったばかりの白藍を愛せたらいいなと思ってる。
でも白藍は〈最初〉から私を愛してるように見える。
最初から
会う前から私を愛している。
その愛は嘘では無い
けど本物じゃない。
そう
思ってしまう。
夕日を見る約束をした。白藍は近くにある別荘にいる。手料理を作ってくれると言った。
「──……海…見るの初めて…かな?テレビで見た事あるけど…生の海を見た事無かった。綺麗…」
海を見るのが初めてな朱斐は、白藍にあきるまで海を見ていたいと頼んだ。
白藍は笑顔で承諾し、料理できたら呼びに来ると言った。
「……」
ザッ───
朱斐の影に、影が重なった。背後に誰かいる。
朱斐が振り向く。
「白藍…?もうできたの?」
朱斐のすぐ後ろに白藍の姿があった。
「白藍?」
いつもニコニコしている白藍が、今は無表情で冷たい表情をしている。
朱斐は、首を傾げながら白藍に手を伸ばした。
「どうか…したの?白ら……──!?!!!」
伸ばした手をいきなり掴まれ、グイッと引き寄せられた。
顔をかがめ、朱斐の目線まで下げていいる。
腕を引っ張られ、顔が引き寄り、白藍の口と朱斐の唇が重なりそうになった。
「ッ///」
朱斐は反射的に目を瞑り、グッと口を引き締め身を強張らせた。
ムニィ
柔らかい肉の感触がした。
朱斐がパッと目を開けた。
「ハ〜イ!そこまでや!」
口と口の間に、手が挟まりなんとかキスは回避された。
「何してんねん!!黄藍!!絞めるぞ!!」
「……」
朱斐が、びっくりした表情で固まっている。
「あっ朱斐大丈夫か?すまんな、このクソ弟が…」
「クソをつけるな。下品な奴」
「なんやと!」
「へっえっなっ…白藍が…二人?」
「!あぁせやねん。俺は双子でこいつは弟の〈黄藍〉」
「初めまして、朱斐お嬢様」
「えっえええ──!?なっ…そん…」
白藍のうり二つ。鏡に映ったような全部が同じ姿をしている。
違うのはしゃべり方。朱斐は動揺し驚愕をうけていた…
初めて知った事実