ブルの店は元々、師匠の店で、機材等も師匠から借りて使用していたが、ブルがこうなり、店の方を撤去してくれていた
師匠、「そうそう、バイクもな家に持って来ておいたぞ」
ブル、「何から何まで、本当にありがとうございました」
師匠、「いやなに…それより旅してたんだろ?何処走り周ってたんだ?」
ブル、「九州、四国から親の所に行って…」
師匠、「そうか、楽しかったか?」
ブル、「ええ、事故らなければ」と天井を見て笑う
師匠、「そうか、楽しかったか。その思い出はな、これからの薬となるだろう」
ブル、「…薬?」
師匠、「あぁ、これから先、色々腐る事や後悔する事もあるだろう。その時思い出せ、見た光景を出会った人を」
ブル、「師匠は思い出す事も?」
師匠は窓の外に目をやりながら「あぁ、もう身体がいう事をきかないからな。しょっちゅうじゃ」
ブル、「そうなんですか…」
師匠、「じゃがな、どうしてもの時は俺も旅に出るんだ。最近は電車でな」
ブルは悪戯っ子のような顔で「カブじゃなく?」と師匠を見た
師匠、「ははっ、しかしな、腐ったものは棄てる事は出来た。お前も解るだろう?」
ブルは頷き、目線は天井を見ているのか、何処かの風景を見ているのか…