がんばったで賞 50 〜心のどこかで〜

るー6  2010-09-04投稿
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送信すると、一人で病院のベンチに座った。
空は晴れ渡っている。
弱い風が吹いてきた。
この風は、カズヒロに教えてもらったように、ソヨソヨって吹いているのかな。なんて思ったりして。
しばらくすると、メールが来た。
『もし、手術をするって決めたら、俺協力するよ。いっぱいバイトして、お金集めてくるから。』
…カズヒロは何て優しいのだろう。
それに比べて私は…。
そう考えた途端。
キーン…と、また耳に激痛が走った。
携帯が地面に落ちる。
やっぱり、心のどこかで…思ってる…。
カズヒロに迷惑かけたくない…。
…痛みがおさまったアキは、汗だくだった。
タオルで拭いて、中へ戻ろうとしたとき、
『え…、お母さん?』
「アキ。」
偶然お母さんに会った。
「アキのこと、迎えに来ちゃった。」
『ありがとう。』
「じゃ、帰ろうか。アキ、先生にお礼言った?」
『うん。』
お母さんとの時間、そういえば最近、カズヒロばっかり目が行って、なかなか作れなかった。
「今日のご飯は何がいい?」
『お母さんの甘い肉じゃががいい。』
「わかった。じゃ、スーパー寄っていいかな。」
『…いいよ。なんか、お母さんと一緒にスーパー行くのって何年ぶりだろう。』「そうね。2年ぶり?」
…そんな何気ない会話が、アキは楽しかった。

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