風に向かって凛と立つ誰かになりたくて
痛みを痛みのまま
痛いとも思わずに運べたらいいと
白い顔をした少女は
やわらかな頬を桜色に染めて笑った
孤独を恐れるのは決して恥ずかしいことじゃなくて
誰かを想っているなら
誰か想われない人がいるのは当然で
その矛盾に涙がにじむ
できれば想われる方がいい
それも至極当然のこと
だけど世界は主人公で溢れてるから
成り行き上
誰かが不幸にならなければいけなくて
誰かが死ななければならなくて
それが自分じゃなきゃいいと祈る日々
悲しみは色んなところからわきあがって世界を覆い隠す
そのベールから抜け出したくて
みんなみんなもがいてる
孤独の中
必死に手を取り合って
血の温もりに安堵する
だからまた
歩いて行く気になれるんだろう
孤独を克服したいけど
風に向かって凛と立つ誰かになりたいけど
一人の孤独は重い氷のように個人を潰してしまうから
やっぱり仲間は必要で
友達は必要で
家族は必要で
喜びが十じゃなくてもいい
ただ生きるために
精一杯自分を証明するために
誰もがそうやって生きている
すべての人が主人公なこの世界で
誰もが本当は風に向かって凛と立って生きている